WWDC26:Explore advanced App Intents features for Siri and Apple Intelligence

Siri のレスポンスを App Intents によってカスタマイズする方法。Spotlight のセマンティックインデックスによって、ざっくりした指示でもアプリコンテンツに対してインタラクションできるのは良さそう。

Explore advanced App Intents features for Siri and Apple Intelligence


0:00 – Introduction

  • Siri および Apple Intelligence との連携を洗練させるための高度なテクニックを解説
  • 扱うテーマ:Siri 会話のカスタマイズ、コンテンツ検出の改善、システム連携の活用

1:59 – Customize how Siri responds

  • Siri が返すレスポンスを、App Intents によって制御、カスタマイズし洗練させる
  • 空の結果を返すことで Siri に「見つからなかった」と応答させられる
  • ProvidesDialog プロトコルで応答文をカスタマイズ
    • IntentDialog(full:supporting:) で詳細な応答文(フル文字列)と短い応答文(サポート文字列)を使い分け
    • AirPods など音声読み上げではこのフル文字列が読み上げられる
  • $label.requestValue(...) でインテント実行途中に追加情報をユーザーに要求可能(e.g. 既に実行中のアラームラベルが存在していた場合、別の命名をするか尋ねる)

4:20 – Visual responses

  • DisplayRepresentationtitlesubtitleimage を設定すると応答画面や Spotlight に反映される
  • ShowsSnippetView プロトコルで SwiftUI 製のカスタムスニペットビューを返すことが可能
    • アプリ独自のデザインで Siri の結果カードを表現できる

6:22 – Interaction donations

  • Siri がインテントを呼び出す前に追加の質問を挟むことが可能(e.g. メッセージ送信先を指定した時、コンタクトの類似した名前のうち誰が対象かを尋ねる)
  • IntentDonationManager.shared.donate(intent:result:) でユーザーの UI 操作をシステムにドネート
    • Apple Intelligence がユーザーの好みを学習し、継続中のアクティビティを追跡できるようになる
    • 過剰にドネートされるとシステムはそれらを無視することがある
  • システムインタラクション(Shortcuts 経由など)は自動的にドネートされる

9:46 – Confirmations and entity ownership

  • 副作用を持つインテントは Siri が自動的に確認を求める(e.g. 共用イベントの削除行為など)
  • OwnershipProvidingEntity プロトコルで所有権の状態を Siri に伝える
    • ownership プロパティで .unknown(自分のみ)や .shared(他のユーザーも関係)を返す、これに従って Siri がユーザーに確認を促すか判断する
    • 所有権情報を最新に保つことで Siri の確認フローが適切に動作する

11:59 – Semantic index with IndexedEntity

  • IndexedEntity に準拠し indexAppEntities で Spotlight へのインデックスを実装
    • CSSearcableIndex.indexAppEntities(_:) でセマンティックインデックスが入力
    • 意味ベースの検索でコンテンツが見つかるようになる
  • インデックスを最新に保つ仕組みと再インデックスのサポートが重要
    • ユーザーがコンテンツを追加したらインデックスを作成
    • 主要なプロパティが更新されたら再インデックス
    • コンテンツを削除したら、インデックスからもエントリを削除
  • IndexedEntityQuery を採用することで、再インデックスをサポートできる
    • ただし Core Spotlight レベルの API で再インデックスに対応していれば不要

13:32 – Structured search with IntentValueQuery

  • 大規模・サーバーサイド・頻繁に変化するコンテンツには IntentValueQuery を使用
    • e.g. アルバムはインデックスするが、含まれる曲はインデックスしない
    • values(for:) で構造化された検索入力を複数のエンティティ型にマッピング
  • AudioSearch のような入力型で検索クライテリアを受け取り、結果を返す

15:27 – In-app search

  • system.searchInApp スキーマを採用した AppIntent を実装すると、Siri 検索をアプリ UI で再実行可能
    • ドメイン採用やインデックス化の有無に関わらず利用できる汎用的なアプローチ
    • perform() 内でナビゲーション状態を書き換えてアプリの検索画面を開く

16:22 – Onscreen awareness

  • 表示中のコンテンツをエンティティに接続する 4 つのアプローチ
    • NSUserActivity :ビュー全体に単一のプライマリエンティティを関連付け
      • View Annotation API .appEntityIdentifier モディファイア:複数エンティティが存在するビュー内の特定要素に付与
    • コレクションアノテーション:リストの選択状態をエンティティ ID にマッピング
      • .appEntityIndentifier(forSelectionType:) で選択IDを返し、画面外の選択肢に対してもアノテーションすることが可能
    • カスタムキャンバスアノテーション:独自描画領域内のエンティティを登録
  • これにより Siri が「このイベント」「あの曲」などの参照を解決できる

20:51 – Leverage existing integrations

  • ユーザー通知 UNMutableNotificationContent、Now Playing、Alarm Kit の設定にエンティティを添付可能
    • content.appEntityIdentifiersEntityIdentifier の配列を設定
    • Now Playing では最も具体的なものから順に複数の EntityIdentifier を指定
    • Alarm Kit の AlarmConfigurationappEntityIdentifier パラメータとして渡す

WWDC26:Discover new capabilities in the App Intents framework

App Intents に関する2026年のアップデートについて。実装未経験で未知の領域なのだが、アプリコンテンツをシステムが既知のデータ型として与えることが可能になったことでアプリ内の連携がより密になったり、システムによるアプリコンテンツの提案をよりユーザーのコンテクストベースで行えるようになったり、さらに Siri がデバイスまたいで会話継続できるようになったりで、よりアプリのコンテンツがアプリの箱から飛び出して生活に偏在できるようになった感がある。

Discover new capabilities in the App Intents framework


0:00 – Introduction

  • App Intents フレームワークの 2026 年アップデート概要
  • Siri、Shortcuts、Spotlight、Widgets、Apple Intelligence にわたる制御・柔軟性・開発体験の向上

2:40 – Share entities across apps with ValueRepresentation

  • ValueRepresentation でアプリのエンティティをシステムが理解できる構造化型に変換して共有
    • エンティティ自体が Transferable に準拠していれば、エンティティの情報を ValueRepresentation でシステムの理解する構造体に変換して transferRepresentation として返すだけ
    • 例:ランドマークを GeoToolbox.PlaceDescriptor として書き出し、Maps でナビゲーション可能にする
  • エンティティにすでに対応プロパティがある場合はキーパスで簡潔に記述可能
    • ValueRepresentation(exporting: \.placeDescriptor)

3:45 – Register relevant entities with RelevantEntities

  • システムに自アプリのコンテンツを登録する方法
    • 1. Spotlight にインデックスする:Siriで検索取得させたい場合
    • 2. インタラクションドネーション(IntentDonationManager API):Siriとシステムにユーザーの使い方を学習させたい場合(繰り返しアクション)
      • → システムがパターンを学習し将来提案するようになる
    • 3. 未知のコンテンツの場合は? Spotlight にインデクスされていないし、インタラクションもまだドネートされていない → ReleavantEntities でシステムにヒントを与える
  • RelevantEntities API で「いつ、なぜ」のコンテキスト付きでエンティティを提案
    • 例:ワークアウト開始時に再生中プレイリストを提案
  • updateEntities(_:for:) でコンテキスト付きエンティティを登録
  • コンテキスト・エンティティ・全体の 3 段階での削除 API が用意されている

7:05 – Handle entities efficiently with EntityCollection

  • 大規模なエンティティセットを効率的に扱うための EntityCollection
  • パラメータ型を [PhotoEntity] から EntityCollection に変更するだけ
    • perform() 内では photos.identifiers を使うことでフル解決を回避
    • 1000 枚の写真のタグ付けがほぼ瞬時に完了するほどのパフォーマンス改善

8:55 – Use entities across devices with SyncableEntity

  • OS 27 から Siri デバイスを跨いで会話を継続でき、エンティティも共有可能に
    • エンティティにはIDが採番されシステムはこれを鍵に特定するが、ローカル生成されたものかもしれない(ローカルID) → デバイス共通のIDが必要(安定ID) → SyncableEntity プロトコル
  • エンティティの ID がデバイスをまたいで安定している場合はプロトコル準拠を宣言するだけ
  • ローカル ID と安定 ID が異なる場合は SyncableEntityIdentifier でペアリング
    • サーバー UUID や Cloud Kit レコード ID などが安定 ID の典型例

11:01 – Richer parameter types

  • DurationPersonNameComponents のネイティブサポートが追加
    • Siri、Shortcuts、Widgets でピッカー UI とローカライズが自動的に機能

12:38 – Union value parameters

  • @UnionValue 列挙型により 1 つのパラメータが複数の型を受け付けられるようになる
    • 例:ランドマークコレクションまたはフォトアルバムのどちらかを受け取るパラメータ
  • 各ケースの表示名を caseDisplayRepresentations で定義すると自動的にピッカーが生成される

13:26 – Extend execution with LongRunningIntent

  • LongRunningIntent で 30 秒の実行制限を超える処理が可能になる(e.g. アプリを開かずにウィジェット経由で大きな画像をアップロード)
  • performBackgroundTask ブロック内で progress を更新すると Live Activity として進捗を表示
  • CancellableIntent を組み合わせるとキャンセル処理(クリーンアップ)も実装可能
  • バックグラウンドでの GPU アクセスもサポート

15:27 – Target the right process with ExecutionTargets

  • allowedExecutionTargets でインテントの実行先プロセスを明示的に指定可能
    • .main:書き込み操作など、メインアプリが必要な場合
    • .appIntentsExtension:スタンドアロンのダウンロードなど、エクステンションで完結する場合
    • .widgetKitExtension:表示専用の読み取り操作
    • 複数指定でシステムに選択を委ねることも可能

WWDC26:Best practices for integrating visual intelligence in your app

Visual Intelligence による画像識別と、その結果のアプリへのハンドオフ実装について。

Best practices for integrating visual intelligence in your app


0:07 – Introduction

  • アジェンダ:コンテンツ定義・クエリ実装・クロスプラットフォーム対応・システムストア統合

2:02 – Defining your content

  • アプリコンテンツを AppEntity としてモデル化することで Visual Intelligence の検索結果に表示可能(AppEntity = アプリにおける名詞 e.g. アルバム)
  • AppEntity の設計ポイント
    • DisplayRepresentation:タイトル・サブタイトル・サムネイルを定義
    • 識別テキスト(displayRepresentation)は簡潔かつ過不足なく
    • 画像はサムネイルサイズで提供することで読み込みが早くなる

5:03 – Implementing a query

  • EntityQuery の実装:識別子から AppEntity を復元するロジック
  • IntentValueQuerySemanticContentDescriptor のピクセルバッファから結果を返す
    • input: SemanticContentDescriptor から input.pixelBuffer を取得
  • 画像の類似度検索:Vision フレームワークの GenerateImageFeaturePrintRequest でオンデバイスで実現
    • 事前に計算済みの特徴プリントと距離閾値を使って高速に絞り込み
    • queryPrint.distance(to: entry.featurePrint) で距離を算出し maxDistance 以下のものを返す
  • パフォーマンス考慮
    • 特徴プリントは事前計算してキャッシュ(カタログ構築時に 1 度だけ実行)
    • 検索時は距離計算のみで素早く応答

8:18 – Opening results

  • 選択されたコンテンツに直接遷移する OpenIntent の実装
    • OpenIntent プロトコルに準拠し target パラメータに AppEntity を指定
    • perform() は軽量に保つ(アプリがフォアグラウンドになる際に実行されるため)
    • Visual Intelligence 専用の OpenIntent は作らず既存のものを再利用する

10:03 – Mac and iPad adoption

  • 同じ AppEntity・クエリ・OpenIntent を iPadOS と macOS でそのまま流用可能
  • プラットフォーム差異への対応
    • iOS:カメラ入力
    • Mac:スクリーンショット入力、ピクセルバッファが大幅に大きくなる
      • 処理前にリサイズを検討すること

12:27 – Returning multiple result types

  • @UnionValue 型で単一クエリから複数エンティティ型を返す
    • アプリは IntentValueQuery をひとつしか持てないため、代わりに各エンティティを並べてで定義できる @UnionValue enum を使用
    • アルバムエンティティとコンサートエンティティの両方を同時に返す例
    • ピクセルマッチだけでなく関連コンテンツも派生させると有益(e.g. アルバムアートワークで特定した同アーティストから近くのコンサートを検索)

12:56 – Continuing search in your app

  • すぐに検索結果が見つからない場合 semanticContentSearch スキーマでアプリ内の完全検索へ誘導(「もっと見る」)
    • @AppIntent(schema: .visualIntelligence.semanticContentSearch) を付与
    • perform() 実装でアプリの検索ビューに移動
  • 入力されたコンテキストに基づき、事前に検索が絞り込まれた状態でアプリの検索ビューが開く
  • フィルター・カテゴリ・より深いコンテンツへのランディングを提供できる

14:27 – System store integrations

  • Visual Intelligence がシステムストアにデータを書き込み、アプリはそれを読み取る
    • カレンダー:EventKitEKEventStore)でイベントを読み取り
      • NotificationCenter.EKEventStoreChanged)でストア変更を観察して自動更新
    • 連絡先:CNContactStore
    • 医療デバイス計測値:HealthKitHKHealthStore
  • 実装パターン(カレンダーの例)
    • 1. eventStore.requestFullAccessToEvents() でアクセス許可を要求
    • 2. predicateForEvents(withStart:end:calendars:) で検索範囲を指定
    • 3. イベントタイトルとカタログのアーティスト名を照合して関連イベントを抽出
    • 4. EKEventStoreChanged の通知を受けて再フェッチ

17:16 – Next steps

  • 2 つの統合ポイントのまとめ
    • Image Search:IntentValueQuery + AppEntity + OpenIntent
    • System stores:Event Kit・Contacts・Health Kit の変更通知を観察
  • iOS・iPadOS・macOS 共通のコードで対応可能

WWDC26:Debug and profile agentic app experiences with Instruments

Foundation Models で開発したエージェンティックな挙動のデバッグ手法。ツリー構造でツール呼び出しの内部的なプロンプトを詳らかにできるのは相当助かりそう。あと、タイムプロファイラの読み方も勘所が理解しやすかった。

Debug and profile agentic app experiences with Instruments


1:57 – LLM app development mindset

  • LLM アプリ開発特有の 3 つの課題
    • 確率的な出力:非決定的なレスポンスにより標準的なユニットテストが機能しない
    • モデル間通信:複数のモデルにわたるデータフローの調整が必要
    • オブザーバビリティ:マルチモデルパイプラインのどこで問題が発生したかを特定する難しさ
  • ツール呼び出しを含むループ、ステップが増えるほどレイテンシが増しと障害要員が増える

3:59 – Inspect and diagnose an agentic experience

  • デモアプリ:craft companion(ジャーナリングアプリ)
    • インタラクティブなブレインストーミング機能を持つ
    • 2 組の Dynamic Instructions を使用
      • GenerateCraftIdeaTool アイデア生成用
      • SwitchToTutorialModeTool チュートリアル作成用
    • いずれも Private Cloud Compute のサーバーモデルを使用

5:02 – Recording a trace with Instruments

  • Instruments でのプロファイリング手順
    • Foundation Models テンプレートを選択してセッションを記録
  • セキュリティ上の注意点
    • プロンプトなど機密データがトレースファイルに含まれるため取り扱いに注意

6:04 – Navigating the Instruments UI

  • Foundation Models インストゥルメントのレイアウト
    • タイムラインのトラックとレーン
      • instructions レーン:Dynamic Instructions の活動、指示とツールのセットがアクティブだった時間を示す(アクティブだったツールセットの個数を調べられる)
      • model inference レーン:各バーの色毎に推論の所要時間を表示
        • 黄色:システムが入力プロンプトの処理に要した時間
        • オレンジ:応答の生成に要した時間
  • ツリービューの階層構造
    • セッション → リクエスト → 推論 → ツールコール
    • 各レベルでのプロンプト・レスポンス・メタデータを確認可能
    • DynamicInstructions の toolsets に SwitchToTutorialModeTool を追加し忘れていたことが判明

12:07 – Performance metrics

  • LLM 体験のパフォーマンス計測に使う 3 つの主要指標
    • Time-to-first-token(最初のトークンが返るまでの時間)
      • プロンプトを短くすることで短縮可能
    • Tokens-per-second(全体的な生成速度)
      • プロンプト間でベンチマークを取って比較、リグレッション検出に使用
    • Total latency(全体のレイテンシ、ユーザーが最も体感する数値)
      • ストリーミングを活用することで部分的な結果を表示し、体感的な待ち時間を削減

WWDC26:Meet Core AI

Core AI を使ってオンデバイスに学習モデルの作成と改善のサイクルを回したり、オンデマンドにユーザーデバイス上でモデルをコンパイルできるらしい。そもそも、PyTorch から勉強したいと思った。

Meet Core AI


0:33 – What is Core AI

  • Core AI は Apple Intelligence をオンデバイスで動かす推論フレームワークで、WWDC26 より開発者に公開
  • モデルデプロイのライフサイクル全体をカバー
    • モデルの最適化、コンバージョン、デバッグ、アプリへの統合の高速かつ反復的サイクルに対応
    • CPU・GPU・Neural Engineすべての Apple Silicon を活用
    • モダンな Swift API、Python ツールチェーン、専用デベロッパーツールを同梱
  • 主要コンポーネント
    • CoreAI Swift フレームワーク:アプリ側の推論実行
    • coreai-torch Python パッケージ:PyTorch モデルの変換
    • Core AI Debugger:数値デバッグ用スタンドアローンアプリ
  • 対応ニーズ例:話者分離モデル、カメラ映像をもとに質問へ回答、複雑なマルチステップタスク

4:57 – Model conversion

  1. モデル変換の手順
    1. PyTorchで行動予測モデルを試作
    2. ゲームを実行しトレーニングデータを蓄積
    3. PyTorchモデルをCore AIに変換(Core AI PyTorch extensions):以下
  2. coreai-torch を使って PyTorch モデルを Core AI フォーマットへ変換する手順
    1. torch.export.export() でモデルをエクスポート、動的シェイプ(seq_len など)を指定
    2. run_decompositions() で Core AI 互換の分解テーブルを適用
    3. TorchConverter().add_exported_program() で Core AI グラフへ変換
    4. save_asset("SnakeTransformer.aimodel").aimodel ファイルとして保存
  3. 変換後の数値検証
    1. PyTorch の出力と Core AI の出力を numpy で比較し、最大誤差が 0.01 未満であることを確認

6:16 – App integration

  • 生成したモデルをアプリに統合→実行
  • Xcode のモデルビューアーで .aimodel を検査可能
    • 入出力のテンソル形状、関数名、サイズなどを確認できる
  • CoreAI Swift フレームワークの主要型
    • AIModel.aimodel ファイルをロード
    • InferenceFunctionmodel.loadFunction(named:) で取得
    • NDArray:n 次元テンソルデータの入出力型
  • 推論の実行フロー
    • AIModel(contentsOf: modelURL) でモデルをロード
    • model.loadFunction(named: "main") で推論関数を取得
    • NDArray に入力データを書き込み
    • nextActionFunction.run(inputs:) で推論を実行し出力 NDArray を取り出す

10:48 – Profiling with Instruments

  • モデルのパフォーマンス改善
    • 例:時間経過と共に遅くなる問題の解決
  • Xcode に新設された Core AI インストゥルメントでモデルのレイテンシをプロファイル可能
  • Transformer モデルでシーケンス長が増えるにつれ、Key-Value の埋め込み再計算を実行する
    • → シーケンス長増大に応じて、推論時間が二次関数的に増大する問題
    • シーケンス各要素に計算済みの Key-Value キャッシュすることで解決

11:15 – Optimizing performance

  • KV キャッシュをステートフル入力として追加することで推論のスローダウンを解消
  • PyTorch 側の変更
    • register_buffer() でキーキャッシュ・バリューキャッシュをモジュールバッファとして登録
    • forward() でキャッシュの読み書きを実装
    • 再変換時に state_names=["keyCache", "valueCache"] を指定
  • Swift 側の変更
    • NDArray としてキャッシュバッファを確保し ModelPlayer の保存プロパティとして保持
    • InferenceFunction.MutableViews にキャッシュの MutableView を挿入して推論時に渡す
      • stateViews.insert(&keyCache, for: "keyCache") のように記述

14:13 – Additional features

  • coreai Python パッケージのリッチなオーサリング体験
    • 既存の変換・最適化 API に加え、モデルグラフの細粒度な操作が可能
  • Core AI Debugger
    • 変換済みモデルの数値デバッグ専用ツール
    • 中間テンソル出力の検査、PyTorch との差分確認
  • Xcode のデバッグゲージ
    • Xcode でアプリを実行中に Core AI の活動状況をリアルタイムにストリーミング監視

15:34 – Specialization

  • モデルの特化プロセス:Core AI がターゲットデバイス向けにモデルをコンパイルする処理
    • 初回ロード時に実行され、以後はキャッシュから即時ロード
    • かなり時間がかかる場合があるため、ユーザーフローの計画が必要
  • プログラム的なキャッシュ管理
    • AIModelCache.default でキャッシュの有無を確認
    • キャッシュがない場合にユーザーへ「AI 機能を準備中」と通知する UX パターン
    • AIModel.specialize(contentsOf:) で明示的にスペシャライゼーションを要求可能
  • SpecializationOptions でコンパイル動作をカスタマイズ
  • 特化で起こる2段階の変換
    • Compilation:コンピューティングを分割、計画し最適化
    • Excecutable generation:使用する計算ユニット向けのアーティファクト生成(デバイスとOSバージョンに紐付けられる)
  • Compliation ステップが大部分を占める → Core AI ツールチェインの事前コンパイル(Ahead-of-time, AOT compilation)で解決

WWDC26:Improve your prompts by hill-climbing with Evaluations

統計学的にモデル評価を行いながら、ヒルクライミングプロセスで性能改善する手法の紹介。カッパ係数、統計学の授業で触れた気がするがまったく覚えてなかった。

Improve your prompts by hill-climbing with Evaluations


0:00 – Introduction

  • ヒルクライミングの定義
    • 評価スコアをガイドに知能機能を反復改善するアプローチ
    • サイクル:開発 → 実行 → 分析
  • AI 機能の改善に科学的思考を持ち込む考え方

2:42 – BookTracker’s tagging problem

  • Book Tracker のタグジェネレーターが抱える問題
    • 重要なテーマを見逃す
    • 本の内容ではなく読者の感想やレビューからの引用をタグとして生成してしまう

5:27 – Analyzing the evaluation results

  • データセットにレビューを 2 件追加して評価を実行
  • Xcode の評価レポートで生成タグと期待タグを比較
  • レポートの活用
    • サンプルごとのスコアとジャッジの rationale を確認
    • 期待するタグを欠いていてもモデルは高いジャッジスコアを付けており、人間評価と乖離があることが判明

8:26 – Drift between judge and human

  • モデルジャッジの評価と人間の専門家評価の乖離:「ドリフト」
  • 複数サンプルに対しモデル・人間で評価、それぞれの平均値の乖離がドリフト
  • ドリフトが存在すると評価スコアを信頼できなくなるため、ジャッジを人間の判断に揃える必要がある
  • 評価の乖離を測定する方法:
    • 両者合致する評価の割合をパーセンテージで表記(accuracy)
      • 分布が偏るケースに不適合(e.g. データセットの品質が高く人間がすべてを高く評価しがちな場合、モデルの評価と乖離が生じない)
    • accuracy とは異なる評価方法が必要

9:37 – Measuring drift with Cohen’s kappa

  • カッパ係数(Cohen’s kappa)によるアライメント計測で一致度(alignment)を測定
    • 偶然の一致(coincidence)の確率を差し引いた上で正確度を正規化 alignment = (accuracy –  coincidence) / (1 – coincidence)
    • 単純な一致率よりも真のアライメントを反映
  • Evaluations の記述に必要な4つの要素:データセット、Evaluation の対象、Evaluation の定義、結果の集計

12:26 – Building a judge alignment evaluation

  • BookTagJudgmentCalibration:ジャッジと評者の評価を比較するための専用評価
    • 同じデータセットに対して人間の手動評価とモデルのジャッジの両方のスコアを収集
    • aggregateMetrics でカッパ係数を集計
  • ジャッジアライメントのテスト
    • カッパ係数に加えて、平均値と各 dimension ごとの標準偏差も取っておくと、ジャッジスコアの増減を把握するのに役立つ
    • 閾値の目安:0.6 以上が望ましい(統計学的に意義のある一致水準を表すため)
      • #expect(result.aggregateValue(.custom(label: "Relevance: Judge vs Expert")) > 0.6)

15:16 – Analyzing alignment failures

  • Evaluate を再実行するとテストに失敗:Assistant Editorでレポートを深掘りするとジャッジが過剰に特定的なタグや的外れなタグを高く評価していると判明
  • 原因:良いタグ/悪いタグを分別するためのアプリに関するコンテキストがプロンプトに不足している

17:16 – Comparative evaluation: control vs experimental

  • Xcode 27 の比較評価機能
    • 2 つの評価を対照実験として比較し、変更の効果を客観的に検証
    • Control group:ベースとなるプロンプト vs Experimental group:実験的に変更を加えたプロンプト

19:12 – Refining the scoring dimensions

  • ScoreDimension の説明文を精緻化
    • Relevance:読者の反応・メタコメンタリー・著者情報をタグにしてはいけないことを明示
    • Usefulness:標準的なジャンル・テーマタグが機能する一方で、造語・キャラクター名・過度に一般的な語は不適と明示
  • 説明の改善で両次元のスコアが向上

21:23 – Adding few-shot examples to the judge

  • ModelJudgePrompt でジャッジに文脈と worked examples を提供
    • アプリの目的(Shelf:個人書籍管理アプリのタグ生成)を説明
    • Worked examples でレーティングの基準を示す
      • 例 A(Pride and Prejudice):タグが適切
      • 例 E(Frankenstein):ジャンル矛盾あり
  • Few-shot examples でジャッジの評価を専門家の感覚に近づける

23:38 – Going beyond prompts: adding a tool

  • ヒルクライミングの対象はプロンプトだけではない
  • BookLookupTool の追加し機能の品質を段階的に高める試み
    • レビューから本のタイトルと著者を検索するツール
    • 登場人物名・舞台設定・引用フレーズなどの手がかりからサンプルブックを特定
  • タグ生成サービスにツールを渡すだけで追加文脈を提供
    • BookTaggingService.generateTags(for:tools:) でツールを注入
  • 評価スイートでツールなし vs ツールありを同時に比較

27:17 – Next steps

  • 科学者のように考える:仮説を立て、変数を制御し、結果を測定する
  • 投資する価値のあるプロセス
  • 変数の創造性を持つ(プロンプトだけでなくツール・モデル・指示の構造なども対象)
  • ドリフトに注意し続ける(ジャッジのアライメントを定期的に確認)

WWDC26:Create robust evaluations for agentic apps

非決定的出力を評価するためのデータセットを大量生成する方法。とにかく数打ちながら期待値を満たすデータをふるいにかけながら集めると言う泥臭い方法だが、Evaluation フレームワークの機能として提供されているのがありがたい。

中でも、データセットにとどまらずツール呼び出しの検証が含まれているのは興味深かった。Foundation Models を使って開発する中でも、特に tool calling には泣かされた。以下の記事のようにツール呼び出しがされているかをログベースで検証したりしていたが、バージョンがあがると期待通りに呼び出されなくなり、プロンプトをどう工夫してもこの問題はついに解決されなかった。

今年こそは検証に足る挙動が実現していると期待しつつ、こうした評価のしがいがある高度な実装に挑戦してみたい。

Create robust evaluations for agentic apps


0:00 – Introduction

  • Evaluations フレームワーク(Xcode 27 新機能)の高度な機能を紹介
    • 合成データでデータセットを拡張する
    • ツールコーリングを伴うエージェンティックなワークフローの堅牢な評価構築
  • Hill-climbing プロセスにおける、”Develop” と “Evaluate” ステップに着目

2:21 – The dataset problem in BookTracker

  • Book Tracker のタグ自動生成機能が抱えるデータセット問題
    • 実際のレビューは書籍・ジャンル・長さ・文体で無限に多様
    • 手作業で書いた 13 サンプルではすべてを捉えられない

3:46 – Generating synthetic data with makeSamples

  • makeSamples API でデータセットを合成拡張
    • プロンプト・データセット(ModelSample の配列)・targetCount(シード含む合計サイズ、e.g. 100)を渡す
    • 合成データの生成は反復的なプロセスの中で行われる(データが代表的か確証が得られるまで検証される)
    • 妥当なサンプル数はケースバイケース:量より網羅性

6:27 – Customizing generation with SampleGenerator

  • SampleGenerator で、prompt, dataset, targetCount を超えたより細かい設定
    • sessionProvider クロージャでモデルを選択(例:Private Cloud Compute)
    • sessionProvider は実行開始時1度実行され、バッチ間で再利用されるが、コンテキストウィンドウを使い切ると再度呼び出される
      • コンテクストは共有されないので、サンプル生成の期待を指示する sessionProvider へのカスタムインストラクションは、自己完結型にする(前のバッチの状態に依存させない)

8:38 – Sampling strategies

  • samplingStrategy でシードサンプルの提示方法を制御
    • .random(デフォルト):ランダムなサブセット。多様性重視のデータセットに適する
    • .slidingWindow:連続したシードを提示。順序に意味があるデータセットに適する

10:11 – Validating synthetic samples

  • validator クロージャで各サンプルを個別に検証
    • レビュー長 ≥ 100 文字
    • タグ数 3〜8 個
    • タグはすべて小文字
  • 有効なサンプルは samples、不合格は invalidSamples に分類

13:04 – Comparing evaluation results

  • Xcode 27 の Evaluations Report で 2 つの実行結果を比較
    • 13 サンプルと 100 サンプルの結果を比較
    • サンプルが増えたことで、品質スコアが低下し、小さなデータセットではよく見えていた機能の限界が露呈
      • プロンプトやインストラクションによって改善しうる
      • 評価を調整し、実際に何が評価されているかを理解できる
      • データセットがまだ代表的でないかもしれない(増やしたり、エッジケースを網羅)

15:09 – Tool calling and tool evaluations

  • ツール評価は「何が返ってきたか」ではなく「どうやって取得したか」を検証
    • 正しいツールを、正しい引数で、正しい順序で呼んでいるか
    • 想定外のツール呼び出しがないか
  • デモアプリのツール例
    • searchBooks・getBookDetails・findSimilarBooks

18:54 – Trajectory expectations

  • TrajectoryExpectation でセッションのトランスクリプト上のツール呼び出しの種類と順序を検証
  • 引数マッチャーの種類
    • .exact:厳密な値の一致
    • .naturalLanguage:意図ベースのファジーマッチング(基準を自然言語で記述)
    • .contains.hasPrefix.hasSuffix:部分文字列マッチング
    • .oneOf.pattern:列挙値・正規表現マッチング
    • .range:数値の範囲チェック
    • .keyOnly:キー名だけ確認(値は問わない)
  • 順序付き期待(ordered)と順不同期待(unordered)を組み合わせ可能
  • disallowed で呼び出してはいけないツールを指定

21:26 – Building a tool call evaluation

  • データセットをそれぞれに対するプロンプト、インストラクション、TrajectoryExpectation  をもって、ToolCallEvaluator でスコア付けをする
    • LanguageModelSession にツールを渡し、構造化されたトランスクリプトをキャプチャ
    • allPasspercentagePass の 2 つのメトリクスを自動計算

22:02 – Synthetic data for tool evaluations

  • ModelSampleTrajectoryExpectation はいずれも @Generable のため SampleGenerator を用いて合成生成が可能
  • 合成プロンプトの設計ポイント
    • 利用可能なツールの説明(名前・引数)
    • 順序要件(ordered vs unordered の使い分け)
    • 使用すべき引数マッチャーの説明
  • バリデーターで品質を担保
    • expectations が定義されているか
    • 少なくとも 1 つのツール期待が含まれているか
    • すべてのツール名が有効なセットに含まれているか

WWDC26:Meet the Evaluations framework

ユニットテストが行えない非決定的な Foundation Models の出力を統計的に評価できる Evaluations フレームワークの紹介。評価軸を試行錯誤することでプロンプトのブラッシュアップサイクルにつながる、まさに「evaluation-driven development」。

Meet the Evaluations framework


0:00 – Introduction

  • 生成 AI 機能は「同じ入力に同じ出力」というユニットテストの前提を壊す
    • 非決定的な出力をどれだけの頻度で正しく生成できるか測定する新しいテスト手法が必要
  • Evaluations フレームワークで、予期しない出力や安全でない結果の発生率を計測可能

3:10 – Demo app Book Tacker: a manual evaluation

  • デモアプリ Book Trackerの紹介
  • #Playground で試した結果、いくつかの問題を発見
    • タグが多すぎる
    • 本のタイトルがタグになっている
    • 複数単語のタグが生成される
  • モデルの性能を評価薄る人手評価(human judgement)を作成したが、これはスケーラブルではない:そこで自動化できスケーラブルな評価手法を作った

4:31 – Building your first evaluation

  1. Evaluation プロトコルの実装手順(5 ステップ)
    1. Subject:ModelSubject による subject の定義(テスト対象のコード)
    2. Dataset:ModelSample を使ったデータセットの作成(プロンプトと期待値のペア)
    3. Evaluators & Metrics:MetricEvaluators による評価指標とタグ数の合否判定ロジックの定義
    4. Analysis:aggregateMetrics でサンプル全体の集計を定義
    5. Tests:次

8:06 – Running the evaluation and reading the report

  • Swift Testing の .evaluates トレイトで評価を実行
  • 最適化ターゲットの設定
    • #expect(result.aggregateValue(.mean(of: rangeMetric)) >= 0.8) のように合格基準を数値で表現
  • 評価レポートの確認
    • サンプルごとの結果・プロンプト・測定値・モデルレスポンスの全文を確認可能
    • 例:@Guide でタグ数を 3〜8 に制約した BookTags@Generable 定義
    • 評価を再実行し、修正が正しかったかを検証:「ヒルクライム」プロセス

10:57 – Building robust datasets

  • さきほどは 2 サンプルで検証したが、これでは不十分。優れたデータセットの条件は:
    • 数千件規模
    • ジャンル・レビューの長さ・フィクション/ノンフィクション・文体・個人的な感想など多様性が重要
    • 自分のような出力(タグ付け)をして欲しい場合、まずは個人的なスタイルを期待値としたより多くのサンプルを提供することから始める
  • 手作業では限界があるため、Evaluations フレームワークの SampleGenerator で大量合成が可能
    • シードセットからプロンプトを与えて合成サンプルを生成
    • targetCount で目標サンプル数(シードを含む合計)を指定

14:20 – Refining metrics and evaluators

  • 複数のメトリクスを追加してより深い洞察を得る。タグ付けを例とすると:
    • TagTotal:タグ数の分布(スコアリング型、合否ではなく数値)
    • wordCount:タグが単一単語かのチェック(スペース含みを除外)
    • hasGenreTag:既知ジャンル(knownGenres)との一致確認
  • aggregateMetrics での集計
    • computeMeancomputeStandardDeviationcomputeVariance を組み合わせて分布を把握

15:41 – Evaluation-driven development and hill-climbing

  1. ヒルクライミングのループ
    1. 最適化ターゲットの失敗を検出
    2. 原因を分析して変更を加える(例:@Guide にカウント範囲を追加)
    3. 再実行して結果を確認
  2. このループを中心に開発を進めるのが evaluation-driven development(評価駆動開発)

16:12 – Model judges: qualitative metrics

  • 定量的なメトリクスが合格でも、タグの内容が間違っている場合がある
    • 読者の感想がタグになっている、ジャンルの誤推論など
  • Model Judge:人間の評価を模倣する第2のモデルで出力を採点
    • ジャッジモデルは評価対象と同等以上の能力が必要(ここでは Private Cloud Compute を使用)
    • データセット全体にわたって一貫したスコアリングが可能

18:42 – Building a model judge

  • ModelJudgeEvaluator は通常の Evaluator と同じ Metric 型を返す
  • 設定のポイント
    • スコアスケールは偶数レベルにする(中立デフォルトを避けるため)
      • 例:1〜4 の 4 段階スケール
    • judge パラメータにジャッジモデルを指定
  • レポートでジャッジの根拠(rationale)も確認可能

21:19 – Refining with score dimensions

  • ジャッジモデルによるスコアが人間が評価したスコアと異なる場合がある
    • 評価の問いが広すぎることが多い(e.g. “relevant”, “”useful for browsing)
  • 二つの評価軸を ScoreDimension で分割、description で詳解し、scale も評価軸ごとに分ける
    • e.g. relevant → Relevance(関連性):タグが本自体を表しているか
    • e.g. useful for browsing → Usefulness(有用性):ブラウジングに役立つ粒度か
  • 評価軸を分けるだけ、何を評価するかを伝えているだけで不十分:アプリのコンテクスト(使われ方)が抜けているため
    • ModelJudgePrompt でどんなアプリかというコンテキストをジャッジに伝え、評価精度を高める

23:45 – Reviewing dimension results

  • 次元ごとに分かれた rationale で診断が明確化
    • Relevance のスコアでどの種類のタグが間違っているかがわかる
    • Usefulness のスコアでブラウジングの失敗の原因がわかる
  • 次のヒルクライミングの反復に向けた明確な方向性が得られる

24:20 – Best practices

  • 小さく始める(20〜30 の焦点を絞ったサンプルから)
  • 定量的な特性にはヒューリスティック(コードで計測できるもの)を使う
  • 定性的な特性には ModelJudgeEvaluator を使う
  • ジャッジはシンプルな設定から始める
  • 評価の根拠を次の変更に活かす
    • スコアがすべて同じなら問いかけが広すぎるサイン
    • 問題を切り分けられないなら次元を分割
    • ジャッジがアプリを理解していないならコンテキストを追加すること。

WWDC26:What’s New in Image Understanding

Foundation Models による画像理解と、Vision フレームワークの高い画像分析機能を Foundation Models に組み込む方法。Vision フレームワークが被写体の領域を推定してくれる、サリエンシー(顕著性)分析ができることを知った。

What’s new in image understanding


0:00 – Introduction

  • Vision と Foundation Models の新しい画像理解機能
    • Tap-to-segment API
    • 大規模言語モデルへの画像入力
    • 画像ベースのツール呼び出し
    • watchOS 上の Vision

1:36 – Segment images with tap-to-segment

  • Vision の新しいタップしてセグメント API
    • ポイントタップ・矩形選択・なげなわストローク・スクリブル(選択したい範囲をざっくり塗りつぶし)またはその組み合わせで画像内の任意オブジェクトを切り抜き
  • 実装手順
    • ImageRequestHandler にイメージを渡して初期化
    • GenerateIterativeSegmentationRequest(seed: point) でリクエスト生成
    • handler.perform(request) で観察結果(observation)を取得し pixelBuffer をマスクとして利用
    • request.addIncludedPoint(newPoint) で追加タップによるマスクの精緻化が可能
  • 座標系:左下に原点がある、正規化座標系(0〜1)を使用
  • なげなわストロークの線幅は太めが推奨(画像全体幅の1%以上):細いと良い結果が得られない
  • 制約:初めての実行前にオンデバイスモデルのダウンロードが必要
    • request.donwloadAssets() で取得
    • request.assetStatus で確認

5:50 – Image inputs for Foundation Models

  • Foundation Models フレームワークで画像を直接 LLM に渡す方法
    • キャプション生成・シーン理解・レシピ作成・インテリアデザイン提案などのタスクに対応
    • Prompt ブロック内に Attachment(image) を含めるだけで画像を渡せる
  • Vision vs Foundation Models の使い分け
    • Vision:決定論的な特定タスクにファインチューニング(セグメンテーション・特徴抽出など)、映像フレームごとのリアルタイム処理ができる高速さ
    • Foundation Models:柔軟な自然言語を伴う理解や生成タスク
    • Vision の専門性と FM の汎用性を組み合わせ

7:57 – Image-based tool calling

  • 画像引数を受け取るツールで LLM の能力を拡張する手法
  • Tool プロトコルに準拠したツールを定義し、@GenerableArgumentsImageReference を含める
  • ImageReference の解決
    • @SessionProperty(\.history) でセッション履歴トランスクリプトを取得
    • imageReference.resolve(in: transcript) で実際の画像を取り出す
    • imageAttachment.pixelBuffer() でピクセルデータを取得
  • 組み込み Vision ツール
    • BarcodeReaderTool:バーコード読み取り
    • OCRTool:30以上の言語に対応
    • Vision によって、セグメンテーション、顔分析、ポーズ推定、物体検出と分類、軌道分析やオブジェクトトラッキングが可能

13:09 – Vision on watchOS

  • watchOS で Vision を使ってウォッチアプリを強化
  • サリエンシー(顕著性)解析でコンパクトな UI に最適な被写体を自動クロップ
    • GenerateObjectnessBasedSaliencyImageRequest で被写体の注目度を算出
    • observation.salientObjects.first で最も目立つオブジェクトの NormalizedRect を取得
    • ウォッチの小さな画面に常に最も関連性の高い部分を表示できる

WWDC26:LLM search using Core Spotlight

これぞまさに昨年の筆者がやりたかったこと。紹介されているユースケースは取り組んでいたアイデアに近いものがあった。パイプライン実装により複雑さや規模をともなう検索も実現できるのが興味深い。

LLM search using Core Spotlight


0:00 – Introduction

  • アプリコンテンツを言語モデルに提供して会話型検索を構築する方法の紹介
  • デモアプリ:州立公園とトレイルを閲覧し、完了したハイキングのメモを保存するアプリ

1:41 – Grounding answers with Spotlight tool-calling

  • LanguageModelSession だけでは世界知識で答えるためアプリのデータを参照できない
  • Core Spotlight インデックスを Tool プロトコル経由で参照することで LLM の回答をアプリデータに接地(グラウンディング)
  • SpotlightSearchTool:iOS・iPadOS・macOS・visionOS 対応
    • 前提:CSSearchableItem でコンテンツをインデックスに提供済みであること

4:00 – Configure and add SpotlightSearchTool

  • SpotlightSearchTool を組み込み時の確認事項
    • 検索の種類に合わせたツールの設定
      • SpotlightSearchTool.init(configuration:) にカスタム設定を渡すことが可能(e.g. .files サンドボックス内のファイルパスへの検索)
    • モデルへの追加のコンテクスト提供
      • Model Provider API
    • UIで結果を表示する方法
  • セッションへの追加は LanguageModelSession のイニシャライザに SpotlightSearchTool のインスタンスを指定
  • ツール呼び出しの流れ:ユーザークエリ → LLM が SpotlightSearchTool を呼び出す → Spotlight で検索 → 結果を LLM に返す → 根拠のある回答を生成
  • 提供済みのメタデータがコンパクトに保存されるためモデルが読めない場合がある
  • CSSearchableIndexDelegatesearchableItems(forIdentifiers:) を実装して識別子からフルアイテムを復元
    • モデルが推論に使える追加属性を付与できる

6:44 – Displaying results and partial replies

  • 検索結果は SpotlightSearchTool 自体からも取得可能
  • セッションレスポンス:アシスタント UI(自然言語の回答)に適す
  • ツールの searchableItems:リスト UI(具体的なアイテムの一覧表示)に適す
  • tool.searchResults 非同期シーケンスで結果をストリーミング受信
  • queryToken でリフレッシュタイミングを管理
    • モデルが 1 回のレスポンスでツールを複数回呼び出す場合があるため、各リプライの queryToken の変化を検知する

8:12 – Customizing with guidance profiles

  • GuidanceProfile でモデルに渡す Spotlight の検索能力をカスタマイズする
    • 必要な属性・機能だけを有効化することでオンデバイスモデルの限られたコンテキストを節約
  • オンデバイスモデル向けには .focused(.items) ガイドレベルを推奨

11:02 – Reference resolution with a contact resolver

  • 「誰と一緒にハイキングしたか?」のような人物参照クエリへの対応
  • ContactResolver プロトコルを実装してユーザーの連絡先情報を提供
    • 表示名・メールアドレス・名前のバリエーションを含む ResolvedContact を返す
    • ツールが氏名の曖昧さを解消して正しい結果を絞り込む

11:24 – Custom pipeline stages

  • 複雑なリクエストに対してモデルが検索+計算の複数ステージを実行できるパイプラインを定義
  • @GenerableCustomStage を実装して登録
    • 例:ハイキングメモの「幸福度スコア」計算ステージ
    • inputTypesoutputTypesexecute(on:) を実装
    • スコア付きアイテム・グループ化アイテム・カウントなど様々な SearchPipelineDataType を扱える
  • ツールの設定に customStages として追加するだけでモデルが必要に応じて呼び出す

12:47 – Evaluating response quality

  • Evaluations フレームワークでツール呼び出しとレスポンス品質を計測
  • ModelSampleProtocol でデータセットを定義
    • 期待する識別子リストとツール呼び出しの軌跡(TrajectoryExpectation)を含む
  • Sample Generation API でシードサンプルを拡充
  • テストでメトリクスを検証