自分語り:ビッグバンドに入団した話

以前、イントロという店にジャズの演奏をしに、脚繁く通い続けていることについて書いた。あれから4ヶ月弱、今度はビッグバンドに入団することになったので、その経緯を書き残しておく。

イントロの頻度は落ちたものの、相変わらず毎週どこかのセッションには通い続けていて、アドリブでこなすことにはすっかり慣れてきた(それこそロストをすることも、急にアドリブソロを振られて慌てふためくことも滅多になくなった)。今年に入ってからは褒められることがあったり、逆にダメだしを食らうこともあったりと一進一退。自分の思い描く音楽的な成長とは、いつまで経っても程遠い。

セッション演奏に感じる課題として、その場の構成メンバー・選曲という仕組み上、数こそこなせても1曲1曲を深められない点がある。しかし根本的には、飽きるほど練習したフレーズですら客前に立つと頭に浮かびもしない自分の技量では、良い演奏(それも自分基準)の再現性は著しく低いので、仮に満足いく演奏ができたとしても、それを振り返って何が奏功したのかは分析しづらい(大抵はプロの共演者が底上げしてくれたことによる錯覚でしかなかったりする)。そんなフラストレーションの打開策のひとつとして、去年末から検討していたのがビッグバンドへの入団だった。

ビッグバンドで活動するアマチュアは決して珍しくないので、ジャズをやっていると自然と話を聞く機会はあるし、時には誘われることもある。が、そもそも大編成のバンドに興味はなかったし(吹奏楽みたいだし)、週末月2回の練習のために定期かつ長期で予定をおさえなければならないこともハードルが高く、現実的に検討したことはこれまでなかった。

が、今の自分の状況と照らし合わせてみると、同じバンドメンバーと、同じセットリストを本番演奏に向けて繰り返し練習し、曲そのものやジャズへの理解を深める場としては当然魅力的だし、大きなアンサンブルの中に身を置くことで、曲に対する分析や自パートに対する客観視をいちメンバーとして求められ(多分)、結果として音楽的に成長できるのではないか、、と捉え直しはじめていた。

そもそもジャムセッションで演奏するようなモダンジャズの歴史的源流には、ビッグバンドやスイングジャズがあるという理解なので、ビッグバンドを知ることとジャズを知ることとは、切っても切り離せないという気づきもあった。

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自分語り:「イントロ百本ノック」達成を祝して

高田馬場イントロで、今年の目標にしていた「100曲演奏」を昨夜ついに達成したので、その記念に一筆残しておく。


高田馬場イントロと言えば、ジャズの生演奏を主体としたバー形態の店、いわゆるセッションバーだ。雑居ビルの階段を2周降りた地下にその店はあり、入店時はまずオーディエンスかミュージシャンかを尋ねられる。オーディエンスなら席へ案内されるが、もしミュージシャンなら続けて担当楽器を尋ねられる。あとは待っていれば、いずれマスターに呼ばれステージに立って演奏する。ざっとそんなシステムだ。

こうした種類の店は全国にも数多あるが、特にここはプロのミュージシャンも日々訪れる日本屈指のジャズスポットとして国内のみならず海外からも非常に有名。近年はインバウンド加熱の影響で、外国人が大勢詰め寄せているため、ミュージシャンたちは店外の階段で出番を待たされることも珍しくない笑

筆者がジャズセッションに通い始めたのが6年前で(パートはドラム)、頻度は多くても月1程度。縁あって何度か、横濱ジャズやすみだジャズのアマチュア枠で出演させていただく機会もいただけた。そんなコミュニティに属していると、当然イントロのことはよく話題にも上がるため、存在自体知ってはいたものの、同時に周囲が口を揃えて言うには「(レベルが高く)怖くて近寄れない」とのことで、雲の上の存在のように感じて足は一切向かず。ただ密かに「今年こそは」という誓いだけは毎年立て続けていた。

だが今年1月、いろいろなできごとが積み重なり、とうとうその扉を押し開く決心をしたのだった。

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