カームテクノロジーというワードに引き寄せられて行ってきた。
イベントページ:https://tnxrmeetupvol10.peatix.com
MESONと博報堂DYホールディングスとが共同で実証実験を行った「Motion Cyber Viewing」に関する発表とパネルディスカッション。
- Motion Cyber Viewing | MESON(メザン)|空間インテリジェンスカンパニー
- 博報堂DYホールディングスとMESON、都市空間を徒歩移動中のAR体験に関する実証実験を実施―ARグラスが普及した未来の都市空間における、生活者への情報提示方法を研究― | コーポレートニュース | 博報堂DYホールディングス
本編
- 観光ユースケースにおける街歩きアプリで、どういうARコンテンツ、ナビゲーションデザインだと「能動的に接触」してくれるか?の検証
- ARコンテンツによる広告のエンゲージメントの向上
- ARデバイスの屋外都市空間への波及、デジタルと物理の統合、これにより生活行動がどう変化するか
- 移動中も安全に情報取得でき、その機会や情報量が増加
- 視界を塞がないので目的のコンテンツと同時に周囲環境も見渡せる
- e.g. 対話エージェント
- 徒歩移動が新しい可処分時間として設計される時代に
- 自宅でテレビ、朝はラジオ、電車移動は動画、、とどこもメディアに占有されている中、歩き移動に音楽はあるが、視覚情報が占有できていない
- 歩ける街化(walkable city):徒歩移動しやすくなる、AR移動支援が拡大
- 歩道幅が広かったり
- 移動中も安全に情報取得でき、その機会や情報量が増加
- ARのユースケース、一番使うのはナビゲーション、誘導されながらAR情報を接種
- ただし「Hyper reality」は一見楽しそうだが、コンテンツが溢れすぎ
- 自ら情報に接触したいとならなくなる課題
- 企業、都市、生活者、それぞれにとって大切な情報提示手法がありそう
- 企業:自社の情報が埋もれて見られない問題
- 都市:景観が台無しになり、印象が下がる問題
- 生活者:受動的になり、能動的アクションをしなくなる問題
- ただし「Hyper reality」は一見楽しそうだが、コンテンツが溢れすぎ
- 「カームテクノロジー」に着目
- e.g. mulボード
- 必要なときにだけ情報が飛び出してきて、インタラクションすると追加で情報が現れる
- カームテクノロジーを取り入れて
- 段階的に情報を提示するインタラクション
- 都市空間に溶け込む情報提示
- 視覚的負荷の軽減
- e.g. mulボード
- 観光ユースケースにカームテクノロジーの思想を導入
- ARナビゲーションでの移動中に能動的にAR情報を提示する
- 誘導状態にあるユーザーが自分から接触したくなる情報とは?
- ARナビゲーション:有無やデザインが影響を与えるか
- e.g. Google Maps だと地図ばかり見て周りを見ない
- ARコンテンツ:情報量(配置や密度)やデザインが影響を与えるか
- シーンごとに効果的なデザインとは?認知まででOKなケース、購買意欲につなげたいケースごと
- ARナビゲーション:有無やデザインが影響を与えるか
- 研究方法と事件設計
- ナビゲーションの評価指標:誘導直感性、周囲視認性、エンタメ性、誘導安全性(MUST)
- ARコンテンツの選定軸:情報の直感性、情報の一義性(アイコンだと抽象的だが画像なら?景観への影響と相関する)、景観への影響
- 景観を重要視(風景学)
- 主観的価値に依存しない視覚環境の評価基準
- カームテクノロジーの、視覚的快適性考慮という概念と共通する
- 渋谷区の景観指標を参考
- 遠景、中景、近景の考慮:
- 遠景だと視界占有率高。近景で景観を損なわず
- かつ壁・建物を背にして、徒歩行動を邪魔しない考慮
- 景観に馴染むトンマナやモチーフの採用
- 施設内のアクセントカラーに乗っ取って環境との統一感を醸成
- 触れる人にとって、ARのコンテンツがぎょっとしない、ぱっと目に入って触れてみたいと思えるもの、アバターであればついて行きたいと思える見せ方の工夫
- ローポリからハイポリまでのリアルさ、モーションや表情の幅の中で、違和感のないものを探った
- 技術解説
- VPSでなくマーカーを使用
- Vision Proで使えるVPSは手間がかかり、手軽さ優先
- マーカーの位置を基準に位置合わせ
- 広域移動時は、コンテンツが消失したりずれたりがあるので
- 経路途中で位置合わせできるようにマーカーを配置したポイントを作った
- そもそも Vision Pro は広域移動を考慮していない(一定速度以上の移動トリガーに途中で空間のリセットが走るケース)
- VPSでなくマーカーを使用
- 結果と考察
- ナビゲーションがあった方が、ARコンテンツへのインタラクションが上がった
- 移動だけでなく、環境への気づきや認知にも寄与
- スマホ地図のナビゲーションでは、ついて行くことに認知取られるのかも
- ARコンテンツは、誘導や滞在にも寄与した
- 最適な情報量は3、4
- 都市状況や目的に応じたアダプティブなナビゲーション・コンテンツの実装が重要
- ナビゲーションがあった方が、ARコンテンツへのインタラクションが上がった
パネルディスカッション
- 観光に絞ったが、今後一般的になったときに、どういったARのデザインの工夫があり得るか?
- 広告は注意を引くかで設計されているが、ARでもそれをやる?景観との不一致は逆に顧客離れにつながるのではないか
- Web広告に対する忌避感、
- 都市空間では、ハデじゃない、だけでなく景観と馴染むかも考慮
- e.g. 京都の吉野家
- Web広告のバツボタンサイズのガイドラインにも類似していそう
- 「借景」に似たようなことをしていると思ったが
- 「ベネチアの水」ベネチア都市の水路、同じ水路が同期して上がり下がりして、建物自体はバラバラでも一つの都市としてつながるデザイン構図になっている
- ARでもエリアをまたいで物理的に区切られた建物がつながり、エリアに対するまとまりの意識を変えられないか
- e.g. 万博のリング的な
- みんながみんな同じものを見たい?ユニバーサリティ
- ARでの広告の提示の仕方
- ARの設定でオンオフできそうだが
- 観光ならセレンディピティ求めるシーン、だから今回検証のように固定型で店舗前のARコンテンツを表示するようにした
- AR広告のターゲティング、セレンディピティの切り替え
- AIxARグラスの融合、パーセプションフローモデルの各状態に合わせた知覚情報の提示ができるようになったとき、これまでの広告戦略の仕事がどう変わるか
- 戦略は変わってきそう、ターゲティング精度が高まるので、広告生成もファネルごとに変わってくる(e.g. Xでマンガ広告をタップ、次からは本編広告が流れてくる)
- 購買意向の促し、生活行動の変容に注力したマーケティングが必要
- 認知をとるなら音使った方が有利だろうが、可処分時間の観点では、音は音楽とかですでに占有されているのではないか






