押下圧30g HHKBを使い始めたら元のモデルには戻れなくなった

HHKB30周年記念モデルを購入した話はこちら。

気が向いたらまた使ってあげたい。そのとき30gのキー荷重に慣れた手が、10年以上毎日を共にしたキーボードに何を感じるかが楽しみだ。

不意に、この投稿で記したこの問への答え合わせをするときが訪れたので記しておく。

先日久々に出社する機会があって(奇しくも購入からちょうど1ヶ月後)、出社時は毎度携行していた古い方のHHKBを持って行った。デスクについて何の気なしにタイピングしてみたのだが、その押下圧の重さに驚いた。

まさにハンドグリップを握っているような感覚。これを12、3年も毎日使っていたのが信じられないほどの負荷に感じた。もちろん一般的に普及している押下圧45gなので仕事に支障をきたすわけではないが。

30gに切り替えたとき、前述の投稿にも記したとおり、押下圧の軽さゆえに誤タイプが発生するなどして、慣れるまでの不便とはいえなんだかんだ1ヶ月後にはまた元のモデルに戻ってるんじゃないかと想像していた。しかし、まさかこうも30gに順応し切るとは思ってもいなかった。

また、誤タイプに関しても1ヶ月も使えば、無意識のうちに注意するようになったのか、発生頻度は格段に減ったと思う(いちいち意識していないのでカウントもしていないのだが)。これは、松葉製作所の亀甲名栗パームレストがジャストフィットして、指をうまい具合浮かせ続けることができているからかもしれない。

ということで、思いの外良い買い物であったことの答え合わせができた、という話だった。ちなみに今日(2026/08/07)時点で在庫を確認したところ、筆者の購入した墨モデル含め、US配列モデルはすべて売り切れとなっていた。

HHKB,Professional 30周年記念モデル|メーカー公式通販サイト【PFUダイレクト】

WWDC26:Create UI prototypes using agents in Xcode

筆者は仕事では、UIの検討はかなりのバリエーションを Claude と作っては壊しての繰り返しをしている。それこそ画面レイアウトだけに限らず、画面の構成要素、演出の仕方それぞれをとっても納得いくまで、微調整を含めると数十近く試すことがある。プロトタイプにおけるモックデータの作成は、ペルソナや時系列シナリオを与えた上で、かなりリアルに作り込むこともある。なのでこのセッションの内容自体は、意外と自分もやっているな、と言う感覚だった。

だが目から鱗だったのは、調整UIパネルの実装だった。実際似たようなことは筆者もしていて、アイテム個数などをバリエーション違いで切り替えたいとき(特にアニメーション確認など)、コンテンツ有り/Empty を切り替えて比較するための設定パネルを画面横に表示、みたいなことだが、例示されていたアニメーション調整は、結構自然言語で済ませてしまうことが多かった。フェーズ分けのアニメーションも、検討はするが割と言葉で支持してしまいがち。システマチックに調整パネルに落とし込めば、確かにエージェントと共通言語を築く方法として良さそうだと思った。

Create UI prototypes using agents in Xcode


0:00 – Introduction

  • 意図的なプロトタイピングがアプリの差別化において重要な理由を解説
  • セッションの内容概観
    • Xcode コーディングエージェントとプレビューを使って UI の可能性を探索
    • リアルコンテンツを取り込みプロトタイプを充実させる
    • 重要な瞬間とインタラクションを調整する

2:56 – Exploring UI possibilities

  • NG:「ブッククラブの定期的なミーティングを管理するUIを作って」
    • プロンプト画曖昧
    • 構成方法の一つにすぎない、不要な機能が含まれ機能過多、最適でないナビゲーション
  • より具体的なプロンプト
    • より具体的に:解決したい課題はエージェントよりも自分自身の方がよく把握している
    • スタイルの手がかりを与える:アプリに込めたい雰囲気や感覚
    • 複数の選択肢を求める:最も重要、複数の異なる方向性を探求する
  • 複数の UI バリエーションを一度に生成するプロンプトの書き方
    • “Create ten different variations of an interfaece for…”
    • 機能、スタイルごとに名前付きの Swift Preview の生成を求める
    • バリエーションを広げ、最も有望な要素を選び、アイデアをリミックスする、このプロセスを繰り返す

7:31 – Making your app feel lived in

  • ユーザーが実際のコンテンツを試せるまでは時間がかかる場合がある
    • エージェントがユーザー役を担う
  • リアルなサンプルデータでプロトタイプを充実させるためにエージェントを活用
    • 複数のパターンを求める
    • エンジケースを自分で考える
    • UIのどの状態を繰り返すかを具体的に指定する
  • エッジケースのカバー
    • 空の状態(empty state)
    • 長いテキスト
    • 境界のないリスト
  • サンプルコンテンツを独立ファイルとして再利用可能にするよう指示する

11:19 – Tuning key moments

  • アニメーションスタイル:Ease, Spring
  • Friction and inertia(摩擦と慣性 e.g. Apple Music 再生画面を閉じるときの重さ)
  • デバイスの動き(e.g. Apple Cash のパララックス効果)
  • ハプティクス(重要な瞬間、特別なモードをどう伝えるか)
  • プロトタイプの動的要素を改善するテクニック
    • カスタムチューニングパネルを構築してアニメーションパラメータをリアルタイム調整:これをエージェントに作成依頼する
    • 探求したい内容を詳細に説明する(e.g. アニメーションスタイルか、spring curveか、トランジションか)
    • 複数フェーズのアニメーションはフェーズ分けして調整可能とする
    • パネルを画面に重ねずに並列に並べる(side-by-side)ことで即座に見比べられるようにする

17:31 – Next steps

  • エージェントをデザイナーではなくコラボレーターとして扱う考え方
    • 最良の体験を見つける鍵は自分自身の判断

WWDC26:Live Activities essentials

Live Activity の実装について。

Live Activities essentials


0:01 – Introduction

  • ライブアクティビティは進行中のタスクやイベントについてユーザーを常に最新状態に保つ
  • 表示場所:ロック画面・ダイナミックアイランド・Apple Watch・CarPlay ダッシュボード
  • 時間経過とともに変化する情報をリアルタイムに表示

1:53 – Create and update

  • 最初のステップは優れたデザインを考えること
    • 長期的に知る必要がある重要な情報を優先し、ひと目で分かるように
  • 効率的なデータモデルの定義(静的なデータと動的なデータとを分けて考える)
    • ActivityAttributes:静的データ(変わらない情報 e.g. 店の名前や注文したドリンク)
    • ActivityAttributes.ContentState:動的データ(変化する情報 e.g. 注文ステータスや残り時間)
  • ビューの構築
    • widge extension を追加、ActivityConfiguration でビューを構築
    • 各表示形式に合わせた UI の構築
      • ロック画面用のアクティビティビューを実装
      • DynamicIslandexpandedcompactLeadingcompactTrailingminimal の 4 形式
      • DynamicIslandExpandedRegion(.leading/.trailing/.bottom) で Dyanmic Island 周囲の各領域のビューを実装
  • ライフサイクル管理
    • ローカル:ActivityKit の Activity.request(attributes:content:) で任意のタイミングか事前にスケジュールし開始(最も簡単)
    • リモート:Broadcast update or プッシュ通知で更新
      • Broadcast updates は大多数のユーザーが同じアクティビティを同時に受ける場合に有効
  • Activity.update(_:)ContentState を更新
    • staleDate でいつ古くなるかを指定可能

9:51 – Optimize

  • iOS 27では、compact / minimal ビューは画面縦横向きの両方で表示可能
    • 縦向きでは幅を柔軟に調整できるが、横向きでは広げる余地がない
  • 特定の制約に対するレイアウトの適応
    • 横向き時のダイナミックアイランドで幅が制限される場合への対応
      • \.isDynamicIslandLimitedInWidth 環境変数で判定
    • StandBy での背景色拡張(edge-to-edge)
      • \.showsWidgetContainerBackground 環境変数を使って activityBackgroundTint を適用
  • Apple Watch 対応:activityFamily .small の採用
    • .supplementalActivityFamilies([.small])ActivityConfiguration に追加
    • \.activityFamily 環境変数で small か否かを判定し、専用の SmallView に切り替え
  • App Intents を使ったインタラクティビティの追加
    • Activity 上のボタンタップで、システムは対応するインテントを実行
    • LiveActivityIntent プロトコルに準拠した Intent を定義
    • Button(intent:) でライブアクティビティ内のボタンに紐付け
    • ライブアクティビティ内から直接アクションを実行可能に

聴講メモ:MOSA2026:真夏のTech Dive!

去年に引き続き、MOSA主催のWWDC Recapイベントに参加してきた。

WWDC26 の内容を受けて、Apple Intelligence、Siri AI が話題の中心となっていた。冒頭大谷和利さんのキーノートでは、技術的内容の前に John Ternus 氏、Johny Srouji 氏のキャリアや人事に関する説明もあり、これらを関連づけた大局観を示されていて非常にワクワクした。

去年大阪で行われたMOSAのイベントで、「キューティマスコットを作り直してみる」と題した Vision Pro への移植について、元コーシングラフィックシステムズの小池さんが発表されているのがとても気になっていて、しかし都合合わずでどうしても行くことが叶わなかったのだが、今回 Image Playground や Foundation Models を用いてさらにアップグレードしたキューティマスコットが披露されたのはとても見応えがあった。

中野洋一さんの Metal を使った金魚すくい Mac アプリケーションの動作改善だが、この金魚すくいのアプリケーションにはとても見覚えがあり、懐かしい思い出が蘇った。

いけだじゅんじさんの、Foundation Models を用いた議事録アプリは、感動・聴き逃しボタンを聴講中ユーザーに能動的にタップさせることで、サマリの緩急をユーザー関心に最適化するというアプローチが目から鱗だった。

橋本陽夫さんのデザインリテラシーに関する講演が個人的にはとても刺さり、「デザイン」という概念を、今年9年ぶりに復活したHIGになぞらえて解釈を分解したり、ご自身の最新の著書を引用しながらデザインの網羅的な評価軸について紹介されていて、筆者の今取り組んでいるデザインxエンジニアリングの仕事にぜひ応用したいと思った。

以下に、手元にメモした部分だけ備忘録がわりに転載しておいた。

イベントページ:https://mosa.connpass.com/event/390309/


【キーノート】ジョン・ターナス新CEOとApple Intelligence本格始動時代のApple

大谷 和利 さん

  • 二人のタッグ(Dynamic Duo)
    • CEOターナス:エンジニア出身のCEOは初めて
    • CHOスロウジ:ハードウェア全般を統括、設計の統合性が高まる
  • AppleのAI戦略
    • モデル作りの競争ではなく配置と制御で勝つ設計(Gemini + オンデバイス/PCC/Google Cloudの3層)
    • Chat系UIでなく、OSレベルでApp Intentsを入り口とする方針(SiriKitを正式に非推奨化し、App Intents + App Schemas に一本化+Spotlight でセマンティックインデックス)
    • iCloud+をAI tierに転換しサービス継続課金で収益化するモデル(Private Cloud Computeを無償提供し開発者は無償枠で囲い込み)
  • Apple Intelligence の5層構造
    • 体験(Siri AI、写真、文脈提案…)
    • モデル(AFM、カスタムGemini)
    • 実行基盤(オンデバイス/PCC/Google Cloud、将来的に自社サーバーBaltra+自社モデルに切り替え?)
    • 開発者(App Intents/App Schemas、各種フレームワーク/API、MLX)
    • 制度(サーバーモデル上限を iCloud+ で拡大、App Store の開発者間サブスクバンドル、ペアレンタルコントロール)
      • サブスクバンドル → AIを介した発見体験の向上
  • Siri AI
    • 15年ぶりの刷新
    • パーソナルコンテクスト理解/画面認識/アプリ横断アクション/ワールドナレッジ+Web
  • AFM 3 Core Advanced の20Bパラメタをどうやってオンデバイスで動かすのか?
    • 通常データセンターで扱うパラメタ規模
    • モデル全体をフラッシュに常駐させて、必要な部分だけをメモリへ持ち上げる構成
      • 写真アプリの修正で待たせている体験はそうなっているのでは
    • Instruction-Following Pruning(刈り込み)
      • プロンプト単位で1度だけルーティング判断。エキスパート部分(1-4B規模)のみをメモリにロードする
    • DRAM制約を大きく超えてスケールできるという説明
  • Core AI、Xcode 27、MLXによる次世代技術への強制移行
    • カスタムオンデバイスモデル
    • Xcode のエージェント機能拡張や Device Hub
    • Liquid Glass、Apple Silicon、iPhone Mirroring 上でのリサイズ対応(フォルダブルへの布石?)
  • OSがエージェント・ランタイムになる
    • チャットボットは入り口の一つに過ぎず、アプリは能力を登録する側に回る
    • → 画面の作り込みから、OSに正しく宣言がされているか、が競争軸になる(c.f. WebにおけるSEO → AI optimization への移行)
    • 検索基盤の作り直しは、エージェントの参照索引を整備するもので、UX改善ではない
  • iPhone Ultra、AirPods Ultra、Apple Glass…
    • 専用シリコンにより電力効率で他社引き離し
    • AIは身につけるハードウェアへ

エンジニアのデザインリテラシー

橋本 陽夫 さん

参考書籍:『そのデザイン説明できますか?』(橋本 陽夫 (著) )

  • エンジニアのデザインリテラシーについて
    • デザインディレクションブック for business person
    • そのデザイン説明できますか?
  • Apple 8つのデザイン原則
    • Purpose / Agency / Responsibility …
    • 特に大事なのは、目的と喜び、クラフト
    • 意味のあるものを作ることが一番大事、人間味を持たせること、これらを実行に移すために何をするべきか、がデザインリテラシー
  • デザインとは何か?
    • 人間の欲求:知りたい、行きたい、仲間になりたい、自分の知る範囲で辻褄を合わせたい
    • 辻褄を合わせたいのはユーザー(中のことは知らないが自分にとって辻褄があっているものは買う)、行きたいのはビジネスアーキテクト、仲間になりたいのはデザイナー(仲をとり持つ)
    • エンジニア=知りたい
    • なぜデザインリテラシーが必要か?
      • ユーザーはフロントエンドしか見ることができず、機能の実装だけでは伝わらない
    • エンジニアがなぜデザインに突っ込まない?
      • エンジニアは多様性を認める能力が高い(あらゆる意見を尊重する)
        • 多様性を認めながらもアラも見つけられる(効率、コスパ、、)
        • 「面白いデザインだが無駄が多い」→ 整理がつかなくなりデザインが分からない(ことにする)
      • デザインが分からない
        • 良いデザイン(良ければ良いほど限度がない、望大特性)
        • 正しいデザイン(望目特性)
    • 情報整理の方法 LATCHの法則
      • Location:場所
      • Alphabet:配列順
      • Time:時間
      • Category:カテゴリ
      • Hierarchy:ヒエラルキー
    • デザインが分からない、をLATCHの法則で整理してみた
      • T/C/H:これらのデザインのセオリーを知る
      • T:デザインの歴史を知る
        • Form follows function(電卓、ストップウォッチ、iPod)
        • Functions without form(iPhoneでアイコンだけが見える状態)
        • 第1〜第3世代、メーカーの作りやすさ、欲望の刺激、高機能のシステム+IoT化
        • 機能は顔(face)を必要としていて、デザインがそれを与える
      • C:デザインのコツを知る
        • デザイン要素 x デザイン原則 → テンション(バウハウス)
        • トイザラス(テンション高い)フォルクスワーゲンのロゴ(テンション低い、線対称でstatic)
        • 「ゲシュタルト」総合認知、人の認知のクセ
          • 近接の法則、類同の法則、、
      • H:デザインの構成を理解する
        • デザインのディレクションできる領域
          • ユーザビリティ、クオリティ、アイデンティティ
        • それ以上はアート領域
    • デザインセオリーを知る次に:
      • デザインをコトバにする
        • 事実、根拠 → 心象(〜だからこう感じた、なぜなら、、論証形式)
      • デザインの評価項目(ユーザビリティ評価、アイデンティティ評価、デザインクオリティ評価、それぞれの2次評価)