HHKB 30周年記念モデルを衝動買い

先日Xを眺めていたところ、CASE Shinjuku という高田馬場にあるコワーキングスペースのとある投稿が目に留まった。

いちHHKBファンとして、PFUがHHKBの30周年を記念したモデルを発売したことも、それが伝統的なキー押下圧45gから30gにリニューアルしたものであることも当然知っていた。が、学生時代から使っているHHKB Professional 2 Type-S モデルが壊れないうちは他に乗り換えるつもりはまったくなかったので、こうしたニュースは気にも留めていなかった。(25周年モデルの雪もそうだが、どうせしばらくすれば通常ラインナップに並ぶだろうし、、)

が、30周年の各モデルが売り切れていくなかで、買わないにしてもこの30gという押下圧は、試せるうちに試しておかないと本当に幻になってからでは遅いと思い直し、週末 CASE Shinjuku に足を運んでみたのだった。

CASE Shinjuku は筆者の活動圏内にあり、先日もHHKBのユーザーミートアップ会場になっていたりしたことで認知したのだが、てっきり最近誕生したスペースかと思いきやインスタアカウントを遡ってみると、少なくとも10年は歴史がありそうだった。しかもHHKBの扱い自体も長い。

上の写真のとおり、HHKBの各シリーズやキーキャップが展示されていて、利用料金を払えば持ち込みのノートブックに繋いで試用することができる。しかも、写真には写っていないが、あの松葉製作所様の亀甲名栗パームレストも完備。これ4万円近くもするので試さずノールックで買うのは相当勇気がいるもので、何度も迷いつつ購入に至っていない一品だったので、二度嬉しい。

こんな感じで試用してみたのだが、、正直1打2打と触れただけで頭に電撃が走ったような衝撃を受けた。押下圧30gってこんなにも軽いのかと。さらにその静音性。この静音性は恐らく押下圧の差ではなくHYBRIDモデルになって改良された点だと思うが、長らくProfessional 2 Type-S を使い続けた身としては、ダブルでショックだった。と同時に、Pro 2 の静音モデルである Type-S とはいえども今となっては結構気になる打鍵音や、ちょっとしたストローク重さが、実は長年の愛着によって許せていただけで、ちゃんとストレスだったことに気がついてしまった。そうなるといてもたってもいられずにその場で注文。今日まで購入する気はまったくなかったので、まさに衝動買いだった。

これが土曜日の出来事で、翌営業日の月曜日に配送され今日の昼に自宅に届いたので、早速半日仕事で使ってみた。実は、HHKBは白一択と考えていて(もう1台、ほとんど使っていない Pro 2 無刻印モデルを所有)、注文時もまっさきに白US配列をカートに入れようとしたのだが既に売り切れており、今回初めて墨を選んでみた。

使用感はファーストインプレッションどおり、ほぼ文句なし。打鍵感は謳い文句通りの「フェザータッチ」。すいすいと入力できてしまう。

ただ、前評判で聞いていた通り、押下圧30gという軽さがミスタッチを誘発することは確かだった。ミスタッチといっても、タイピング最中の誤操作という類ではない。描くものが決まっていて筆が乗っている時にはあり得ないのだが、例えば考え事をしていたり画面に集中しているときなど、ふと気を抜いているとキーボードに置いた手が知らぬ間にキーを押下し続けていた、という現象はすでに何度も発生した(この記事を書いている間にも)。正直、これは慣れの問題だと思っている。

ここからは30周年というよりHYBRIDモデルへの感想になるが、まずゴム足の安定感。本体ががっちりとデスクに固定されるので手元の堅牢さが抜群。次に墨モデルのカラーリングも絶妙。筆者のデスクは白一色で、黒は浮くだろうという懸念から検討の視野に入れたことがなかったのだが、実際に配置してみるとそれは決して「黒」ではなく、じゃっかん青みがかったような、まさに硯の水で研いだ深い墨のよう。白い天板にも想定外に馴染んでくれたのだった。むしろ愛着の湧く風合い。


さて、こうなると13年近く使い続けた Pro 2 をどうしようか、ということだが、、学生時代から新卒を経て、いくつもの職場で(コロナ前も含めると物理的に)寄り添ってくれたいわば相棒をやすやすと引退させるわけにもいかない。とりあえずスタンドでも買ってしばらくは飾っておこうと思う。そして気が向いたらまた使ってあげたい。そのとき30gのキー荷重に慣れた手が、10年以上毎日を共にしたキーボードに何を感じるが楽しみだ。